「会議室が常に埋まっていて困っている」というご相談は、移転や改装のお話の中で必ず出てきます。直感的にはそうですよね。需要に対して供給が追いついていないのだから、供給を増やそう。図面の上で会議室を1〜2部屋増やすことは、それほど難しくありません。
けれども竣工後3年経って改めてヒアリングをすると、面白いことが起きています。会議室を増やした会社のうちおよそ半数が、「結局またすぐに埋まるようになった」と答えるのです。
30社の竣工後ヒアリングから見えてきたこと
私たちは2020年から、竣工後1年・3年のタイミングでお客様にヒアリングを行ってきました。データが揃った30社の傾向を整理してみると、会議室の充足度と「実は強く相関している指標」は、部屋数ではありませんでした。
会議室の不足は、空間の問題ではなく、会議という行為のデフォルト設定の問題である。
具体的には「立ち話で済む話題まで会議室を予約する文化」「30分単位でしか予約できないシステム」「キャンセル時にカレンダーから外す習慣がない」。これらが揃っている組織では、何部屋増やしても枯渇します。
運用ルール3点セット
逆に、会議室問題が「自然と消えた」会社には、共通して3つの運用ルールが導入されていました。
ひとつめは、15分単位の予約システム。ふたつめは、開始10分前にチェックインしないと自動キャンセルになる仕組み。みっつめは、4人以下の打ち合わせは原則オープンスペースで行うガイドライン。空間設計と運用設計を、同時に動かす必要があります。
設計側が提案すべきこと
私たちは、会議室の数を「ご希望の数 ± 1」では決めないことにしています。代わりに、まず1〜2週間の予約データを取らせていただき、本当に必要な数を逆算します。たいていの場合、お客様が当初想定していた数より1〜2部屋少なくなります。
その分の面積は、オープンな対話スペースに振り向けます。立ち話、立ち聞き、3分の相談。会議として記録に残らない種類のコミュニケーションこそが、組織の血流を作るからです。
会議室の数を悩んでおられる方、あるいは「会議室を増やす前に話を聞きたい」という方も、お気軽にご相談ください。データ取得のお手伝いから始めることもできます。